『装甲騎兵ボトムズ』は、1983年から1984年にかけてテレビ東京系で放送された、サンライズ制作のリアルロボットアニメです。 重厚なストーリーとハードボイルドな世界観で、多くのアニメファンを魅了しました。 放送当時はちょうどリアルロボットアニメブームの真っただ中。『機動戦士ガンダム』のヒットから始まり、『太陽の牙ダグラム』、『超時空要塞マクロス』など、数々の人気作が登場しました。 『ボトムズ』もその流れを汲む作品として、高い評価を獲得したのです。
あらすじ
物語の舞台は、アストラギウス銀河。 ギルガメス連合とバララント同盟による百年戦争末期、ギルガメス軍の一兵士キリコ・キュービィーは、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられます。 作戦中、キリコは軍の最高機密「素体」を目撃したため、軍から追われる身となり、逃亡の旅を続けることに。 様々な星を転々としながら、キリコは陰謀の闇を突き止め、やがて自身の出生の秘密へと迫っていくことになります。
登場人物
キリコ・キュービィー
本作の主人公であるキリコ・キュービィーは、ギルガメス軍の兵士です。 寡黙で孤独な男ですが、卓越した戦闘能力と高いサバイバル能力を持っています。 彼は逃亡の旅の中で、様々な人物と出会い、戦い、そして成長していくのです。
フィアナ
キリコが出会う謎の女性、フィアナ。 彼女は軍の最高機密「素体」であり、物語の鍵を握る存在です。 その正体は、パーフェクトソルジャー（PS）と呼ばれる、人工的に作られた兵士でした。
ゴウト、ココナ、バニラ
キリコの逃亡の旅に同行する仲間たち。 ウドの街で出会ったブローカーのゴウト、戦災孤児のココナ、元メルキア軍人のバニラ。 彼らは時に対立しながらも、共に苦難を乗り越えていきます。
その他の人物
秘密結社のイプシロン、ギルガメス軍のロッチナ、クメン王国のカンジェルマンなど、個性豊かな人物たちが物語を彩ります。 彼らはそれぞれの思惑を胸に、キリコの前に立ちはだかるのです。
メカニック
アーマードトルーパー（AT）
本作に登場するロボット兵器、アーマードトルーパー（AT）。 人間に近いサイズで、ミリタリーテイストあふれるデザインが特徴です。 キリコが搭乗するスコープドッグをはじめ、様々な種類のATが登場し、激しい戦闘シーンを繰り広げます。
スコープドッグ
キリコの愛機であるスコープドッグは、最もポピュラーなATの一つです。 その洗練されたデザインと高い汎用性から、多くのファンに愛されています。 放送当時、タカラから発売された1/24スケールのプラモデルは、爆発的な人気を博しました。
その他のAT
イプシロンのストライクドッグ、ル・シャッコのベルゼルガなど、個性的なATが多数登場します。 プラモデルも様々なメーカーから発売され、当時の子供たちは夢中で組み立てていました。 中には、アニメ雑誌に掲載された作例を参考に、改造に挑戦する熱心なファンもいたようです。
世界観
アストラギウス銀河
物語の舞台となるアストラギウス銀河は、ギルガメス連合とバララント同盟の二大勢力によって二分されています。 両陣営は100年にも及ぶ戦争を続けており、多くの星が戦火に巻き込まれています。 戦争の影で暗躍する秘密結社、そして謎の存在「ワイズマン」。 彼らは物語に複雑な陰謀と謎を絡ませ、キリコを翻弄していきます。
パーフェクトソルジャー（PS）
パーフェクトソルジャー（PS）は、人工的に作られた兵士です。 彼らは高い戦闘能力と忠誠心を持つように訓練されていますが、その寿命は限られています。 フィアナもまたPSの一人であり、キリコとの出会いは彼女の運命を大きく変えていくことになります。
異能者
異能者は、特殊な能力を持つ人間です。 彼らは常人をはるかに超える身体能力や知性を持っています。 キリコもまた異能者の一人であり、その能力は物語の後半で重要な役割を果たすことになります。
ワイズマン
ワイズマンは、アストラギウス銀河の歴史を影から操る謎の存在です。 その正体は、かつてクエント星を追放された異能者たちの集合意識体。 彼らは自らを神と称し、人類に戦争を仕掛けています。
『装甲騎兵ボトムズ』は、単なるロボットアニメではありません。 戦争の過酷さ、人間の業、そして愛。 様々なテーマを内包した、奥深い作品です。 放送から40年以上が経ちますが、今もなお多くのファンに愛され続けています。 その魅力は、時代を超えて色褪せることはないでしょう。
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