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2024年12月28日

水との出会い、岩鳶高校水泳部

物語は、主人公・七瀬遙を中心に展開します。水に特別な感情を抱き、水と触れ合うことに至上の喜びを感じる遙。彼は小学生時代、同じスイミングクラブに通う橘真琴、松岡凛、葉月渚と出会い、水泳を通して友情を育みます。小学生最後の大会で、凛との間に起きた出来事をきっかけに、遙は水泳から距離を置いてしまいます。

時が経ち、高校生になった遙は、真琴と再会。真琴に誘われる形で、岩鳶高校に入学します。そこで渚と再会したことをきっかけに、成り行きで岩鳶高校水泳部を設立することになります。さらに、水泳経験のない竜ヶ崎怜を勧誘し、個性豊かなメンバーが揃いました。

この岩鳶高校水泳部設立という流れは、物語の大きな転換点です。水泳から離れていた遙が、再び水と向き合うきっかけとなり、新たな仲間との出会いを通じて、過去の出来事と向き合い、成長していく姿が描かれます。当時、京アニが描く水しぶきや筋肉の描写は、非常に話題になりました。特に水泳シーンの作画は、その美しさから「京アニクオリティ」という言葉が広まるきっかけの一つになったと言えるでしょう。

ライバル、松岡凛との再会と葛藤

遙たちにとって、大きな存在となるのが松岡凛です。小学生時代に遙と同じスイミングクラブに所属し、共に切磋琢磨した仲でした。しかし、オーストラリア留学を経て帰国した凛は、以前とは大きく変わっていました。遙との間に生じたわだかまりを抱え、水泳に対する考え方も変化していました。

凛は鮫柄学園に通い、水泳部でエースとして活躍しています。遙たちとはライバルとして競い合う立場となります。凛の存在は、遙にとって過去と向き合うための大きなきっかけとなります。小学生時代の出来事、凛の留学中の変化、そして現在の凛との関係。これらの要素が複雑に絡み合い、遙の心に葛藤を生み出します。

この凛との関係性は、「Free!」の物語を彩る重要な要素の一つです。友情、ライバル心、過去の出来事、そしてそれぞれの夢。これらの要素が絡み合い、物語に深みを与えています。当時、凛のキャラクターは、そのクールな外見と内面の葛藤のギャップが、多くのファンを魅了しました。

それぞれの想い、チームとしての成長

岩鳶高校水泳部は、遙、真琴、渚、怜という、それぞれ個性的なメンバーで構成されています。水に対する想いも、水泳に対する考え方も、それぞれ異なります。だからこそ、ぶつかり合うこともあります。しかし、互いを理解し、支え合うことで、チームとして成長していきます。

遙は水と一体になることに喜びを感じ、自由な泳ぎを追求します。真琴は仲間を思いやる心優しき性格で、チームをまとめ役です。渚は明るく天真爛漫な性格で、ムードメーカーとしてチームを盛り上げます。怜は理論派で、水泳をデータに基づいて分析しようとします。

それぞれの個性がぶつかり合い、時には衝突しながらも、互いを尊重し、支え合うことで、チームとしての絆を深めていく。この過程は、青春スポーツアニメの醍醐味の一つと言えるでしょう。当時、OLDCODEXが担当したオープニングテーマ「Rage on」は、疾走感あふれる楽曲とアニメーション映像が合わさることで、作品の世界観をより一層引き立てていました。