2013年は、インターネットが私たちの生活に深く浸透し、様々な情報や文化が瞬く間に拡散していく時代でした。その中で生まれたネット流行語は、当時の社会現象や人々の関心を色濃く反映しています。この記事では、2013年を彩ったネット流行語の中から特に話題となった10個を選び、その背景や意味、当時の状況などを解説していきます。これらの言葉を通して、当時の熱気や時代の空気を感じ取っていただければ幸いです。
今でしょ!
「今でしょ!」は、東進ハイスクールの現代文講師、林修先生のCMで一躍有名になったフレーズです。「いつやるか?今でしょ!」という力強い言葉は、受験生だけでなく、多くの人々の心に響き、広く使われるようになりました。この言葉は、何かを始める際の決断を促す力強いメッセージとして、また、時として物事を先延ばしにする傾向への戒めとして機能したと言えるでしょう。
倍返し
ドラマ「半沢直樹」の決め台詞「倍返しだ!」は、2013年を代表する流行語の一つです。堺雅人さん演じる主人公、半沢直樹が、理不尽な仕打ちを受けた相手に対して、倍にしてやり返すというこの言葉は、多くの視聴者の共感を呼びました。社会の不条理に対する鬱憤を晴らすかのような爽快感は、多くの人々を魅了し、社会現象とも言えるほどのブームを巻き起こしました。
じぇじぇじぇ
NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で多用された「じぇじぇじぇ」は、驚きや戸惑いを表す岩手県の方言です。能年玲奈さん(現:のん)演じる主人公、天野アキの愛らしいキャラクターと相まって、この言葉は全国的に広まりました。独特の響きと、驚きを表す多様なニュアンスが、多くの人々に親しまれた要因と言えるでしょう。
お・も・て・な・し
滝川クリステルさんが東京オリンピック招致のスピーチで使用した「お・も・て・な・し」は、日本の文化や精神性を象徴する言葉として、世界中から注目を集めました。心を込めたおもてなしの精神は、日本の美徳として再認識され、国内外で広く知られるきっかけとなりました。
ブラック企業
「ブラック企業」という言葉は、以前から存在していましたが、2013年には特に注目を集めるようになりました。長時間労働、過剰なノルマ、パワハラなど、従業員にとって劣悪な労働環境を強いる企業を指すこの言葉は、社会問題として広く認識されるようになり、労働環境の改善を求める声が高まるきっかけとなりました。
PM2.5
「PM2.5」は、大気中に浮遊する微小粒子状物質のことで、2013年にはその健康への影響が大きく取り上げられました。中国からの越境大気汚染などが問題視され、人々の健康への意識が高まりました。この言葉は、環境問題への関心を高めるきっかけになったと言えるでしょう。
ヘイトスピーチ
特定の民族や人種、宗教などに対する差別的な言動を指す「ヘイトスピーチ」も、2013年に社会問題として大きく取り上げられるようになりました。インターネット上での差別的な書き込みなどが問題視され、人権意識の向上や対策の必要性が議論されるようになりました。
アベノミクス
安倍晋三内閣が進めた経済政策「アベノミクス」は、2013年の経済を語る上で欠かせないキーワードです。大胆な金融緩和、財政出動、成長戦略の三本の矢を柱とするこの政策は、経済の活性化を目指しましたが、その効果や課題については様々な議論が交わされました。
ご当地キャラ
地域活性化のために生まれた「ご当地キャラ」は、2013年も人気を集めました。熊本県の「くまモン」をはじめ、各地のユニークなキャラクターが注目を集め、地域PRに貢献しました。ご当地キャラは、地域文化の発信や観光客誘致に大きな役割を果たしたと言えるでしょう。
特定秘密保護法
国家の安全保障に関する特定の情報を秘密として保護するための「特定秘密保護法」は、2013年に大きな議論を呼びました。情報公開のあり方や国民の知る権利との関係など、様々な視点から意見が交わされ、社会的な関心を集めました。
まとめ
2013年のネット流行語を振り返ると、その年に起きた社会現象や人々の関心事が色濃く反映されていることが分かります。「今でしょ!」のようなポジティブなメッセージから、「ブラック企業」のような社会問題を浮き彫りにする言葉まで、様々な言葉が生まれ、私たちの記憶に刻まれています。これらの言葉は、単なる一時的な流行ではなく、その時代を象徴する文化的な遺産と言えるでしょう。後年、これらの言葉を振り返ることで、当時の社会状況や人々の価値観を再認識し、過去から学び、未来へと繋げていくことができるのではないでしょうか。流行語は、時代を映す鏡なのです。