物語
西暦2148年。サンマグノリア共和国は、隣国ギアーデ帝国の開発した無人兵器「レギオン」の侵攻を受けていました。共和国はこれに対抗するため、同じく無人兵器「ジャガーノート」を開発し、戦場で運用しています。表向きは無人兵器ですが、実際には「エイティシックス」と呼ばれる人々が搭乗し、操縦していました。彼らは共和国の外れに位置する第86区に住む人々で、共和国からは「人ではない」とされ、過酷な差別を受けています。
そんな中、主人公のシンエイ・ノウゼンは、エイティシックスの少年兵で構成された部隊「スピアヘッド」の隊長を務めています。彼は卓越した操縦技術を持ち、「死神」の異名を持つほど。そして、彼らを指揮するハンドラーとして、共和国軍の少佐であるヴラディレーナ・ミリーゼが着任します。彼女はエイティシックスに対する差別撤廃を訴える、数少ない共和国民の一人です。シンとレーナは、パラレイドと呼ばれる特殊な通信を通して交流を深めていきます。
やがて、共和国はレギオンの大攻勢を受け、グラン・ミュールと呼ばれる防衛線が崩壊。劣勢に立たされた共和国軍は、エイティシックスの部隊に最後の望みを託します。そして、シン率いるスピアヘッド戦隊は、共和国脱出のため、死地へと赴くのでした。
登場人物
- シンエイ・ノウゼン: スピアヘッド戦隊の隊長。寡黙で冷静な性格ですが、仲間思いの一面も。過酷な運命を背負いながらも戦い続ける姿は、多くの視聴者の心を掴みました。「死神」の異名を持つ彼は、レギオンの動きを感知する特殊な能力を持っています。この能力のため、歴代のハンドラーたちは精神的に追い詰められていましたが、レーナは彼と向き合い、信頼関係を築いていきましたね。
- ヴラディレーナ・ミリーゼ: 共和国軍の少佐で、スピアヘッド戦隊のハンドラー。エイティシックスへの差別撤廃を訴える彼女は、理想と現実の狭間で葛藤しながらも、シンたちを支えようとします。レーナは、その白い肌と銀髪から「白銀の女王」とも呼ばれ、凛とした佇まいが印象的でした。
- スピアヘッド戦隊の仲間たち: ライデン、セオト、クレナ、アンジュなど個性豊かなメンバーで構成されています。彼らはそれぞれ辛い過去を抱えながらも、互いに支え合いながら過酷な戦場を生き抜いてきました。しかし、物語が進むにつれ、彼らの多くが戦死してしまうという残酷な現実も描かれました。
- フレデリカ・ローゼンフォルト: ギアーデ帝国最後の女帝。幼いながらも芯の強い少女です。シンたちと出会い、彼らの戦いをサポートします。
メカニック
- ジャガーノート: エイティシックスが搭乗する戦闘兵器。共和国製の機体であるため性能は低く、搭乗者を保護する機能もありません。作中では「アルミの棺桶」と揶揄されることもありました。しかし、シンたちはこの機体を駆使し、レギオンとの戦いを繰り広げます。
- レギンレイヴ: ギアーデ連邦製の高機動型戦闘兵器。ジャガーノートよりも高性能で、シンたちも後にこの機体に搭乗することになります。アニメでは、その洗練されたデザインと機動力で、戦闘シーンを盛り上げていました。
- レギオン: ギアーデ帝国が開発した無人兵器。様々な種類が存在し、共和国を脅かす存在です。《羊飼い》と呼ばれる特殊なレギオンは、人間の脳を取り込むことで知性を得ており、シンたちを苦しめます。
音楽
アニメ「86-エイティシックス-」の音楽は、澤野弘之氏とKOHTA YAMAMOTO氏が担当しました。彼らの手掛ける重厚かつ壮大なサウンドは、物語の世界観を見事に表現しています。「Avid」や「Hands Up to the Sky」など、ボーカル曲も話題となりました。
当時の話題
アニメ放送当時は、SNSを中心に「86-エイティシックス-」の話題で盛り上がっていました。戦闘シーンの迫力や、シンとレーナの交流、そして物語の核心に迫る展開に、多くの視聴者が熱狂しました。また、アニメの放送に合わせて、原作小説の売り上げも伸び、書店では品薄状態になるほどでした。
「86-エイティシックス-」は、戦争の悲惨さや差別の残酷さを描きながらも、希望を捨てずに生きる人々の姿を描いた作品です。アニメーション、音楽、ストーリー、そしてキャラクター、そのすべてが高いレベルで融合し、多くの人の心を打つ作品として記憶されています。
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