2005年、SNSの黎明期、mixiやブログで交流していたあの頃。疲れた心を癒してくれるアニメとして「ARIA」が登場しました。舞台はテラフォーミングされた未来の火星。水の惑星アクアに存在するネオ・ヴェネツィアは、地球のヴェネツィアをモデルにした美しい街です。
この街でゴンドラを操るウンディーネに憧れる水無灯里は、ARIAカンパニーに入社し、先輩のアリシアや仲間の藍華、アリスと共に一人前のウンディーネを目指します。個性豊かな登場人物たちが織りなす穏やかな日常は、多くの視聴者を魅了しました。
懐かしいあの頃のアニメ制作
「ARIA」のアニメは原作の雰囲気を忠実に再現することに重点を置いて制作されました。淡い色調で描かれたネオ・ヴェネツィアの街並みは、どこか懐かしさを感じさせます。キャラクターデザインも原作に忠実で、流行に左右されない普遍的な魅力を持っています。
当時としては珍しかった、ゆったりとした時間の流れを重視した作風は、多くのアニメファンに新鮮な驚きを与えました。穏やかなストーリー展開の中に、登場人物たちの心情の変化や成長を丁寧に描写することで、深い感動を呼び起こします。
音楽が奏でる癒しのハーモニー
「ARIA」の魅力を語る上で欠かせないのが、Choro Club feat.Senooによる美しい音楽です。ネオ・ヴェネツィアの世界観を表現するために、様々な楽器を駆使した繊細な楽曲が制作されました。
音楽プロデューサーの福田正夫氏は、Choro Clubの音楽性に惹かれ、彼らに劇伴制作を依頼。佐藤順一監督からは「ネオ・ヴェネツィアの世界観を優しく包み込むようなゆったりとした音楽」という要望があったそうです。
Choro Clubのメンバーたちは、情景や原作のイメージを基に、それぞれが自由に作曲を行い、それを情景に当てはめていくという独特な手法で制作を進めました。その結果生まれた楽曲たちは、アニメの世界観と見事に調和し、視聴者に深い癒しを与えています。
個性豊かなキャラクターたち
主人公の灯里は、いつも笑顔で前向きな女の子。 ARIAカンパニーの先輩で、水の3大妖精の一人であるアリシアは、灯里の憧れの存在です。姫屋の跡取り娘である藍華は、気が強く負けず嫌いですが、根は優しい心の持ち主。オレンジぷらねっとに所属するアリスは、寡黙でクールな少女ですが、灯里や藍華には心を開いています。
それぞれの個性を持った彼女たちが、時にはぶつかり合いながらも、共に成長していく姿は多くの共感を呼びました。声優陣の演技も素晴らしく、キャラクターたちの個性を際立たせています。
10年経っても色褪せない魅力
「ARIA」は、2005年の第1期放送から10年以上が経った今でも、多くのファンに愛されています。2015年にはOVA「ARIA The AVVENIRE」が制作され、2021年には劇場版「ARIA The CREPUSCOLO」「ARIA The BENEDIZIONE」が公開されました。
原作漫画の連載は終了していますが、アニメは今もなお新しい展開を見せています。これからも「ARIA」は、時代を超えて愛される作品として、多くの人々に癒しを与え続けるのではないでしょうか。
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