2020年は、世界中が未曾有の事態に見舞われた年でした。それはインターネットの世界も例外ではなく、様々な出来事が話題となり、多くの流行語が生まれました。今回は、その中でも特に話題となった10個のネット流行語を選び、当時の状況を振り返りながら解説していきます。これらの言葉たちは、その年の出来事を鮮やかに映し出す鏡のような存在であり、後から振り返ることで、当時の空気感や社会の動きを鮮明に思い起こさせてくれるでしょう。
鬼滅の刃関連ワード
2020年、社会現象とも言える大ブームを巻き起こしたのが、吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』です。アニメ化をきっかけに人気が爆発し、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は空前の大ヒットを記録しました。ネット上では、「鬼滅の刃」はもちろんのこと、作中に登場するキャラクター名やセリフなどが数多く飛び交いました。
特に、「鬼舞辻無惨」は「ネット流行語100」で年間大賞を受賞するほどでした。彼の圧倒的な存在感と、作中で放つ印象的な台詞の数々は、多くの人々の心を掴み、ネット上でのミームとしても広く拡散されました。その他、「全集中」「竈門炭治郎」「柱」といったワードも頻繁に見られ、まさに「鬼滅の刃」一色の年だったと言えるでしょう。
Stay Home/おうち時間
新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界中で外出自粛が呼びかけられた2020年。「Stay Home」という言葉は、まさに時代を象徴するキーワードとなりました。日本では「おうち時間」という言葉が浸透し、自宅で過ごす時間をいかに充実させるかが大きなテーマとなりました。
巣ごもり需要の高まりを受け、オンラインショッピングや動画配信サービスなどが大きく成長しました。また、自宅で楽しめる様々なコンテンツやアイデアがネット上で共有され、「おうち時間」をポジティブに捉えようとする動きも活発でした。この言葉は、人々の生活様式が大きく変化したことを物語る、重要なキーワードと言えるでしょう。
アベノマスク
政府が配布した布マスク、通称「アベノマスク」も、2020年を代表するネット流行語の一つです。配布のタイミングや方法、マスクのサイズなどが議論を呼び、ネット上では様々な意見やパロディが飛び交いました。
この言葉は、当時の政府の対応に対する国民の反応を象徴的に表しており、社会現象として記憶されています。賛否両論あった出来事ではありますが、後から振り返ると、当時の社会状況を思い出すきっかけとなるでしょう。
あつ森
任天堂が発売したゲーム『あつまれ どうぶつの森』、通称「あつ森」も、2020年に大流行しました。外出自粛期間中に、自宅で手軽に楽しめるゲームとして、多くの人々がプレイしました。
オンラインで友達と交流したり、自分の島を自由にカスタマイズしたりできる点が人気を集め、ネット上ではゲームに関する情報交換や交流が盛んに行われました。「あつ森」は、コロナ禍における人々のコミュニケーションのあり方にも影響を与えたと言えるかもしれません。
Zoom飲み
オンライン会議ツール「Zoom」を使った飲み会、通称「Zoom飲み」も、2020年に広く普及しました。外出自粛により、友人や同僚と直接会って飲みに行くことが難しくなったため、オンラインで交流する手段として注目を集めました。
画面越しではありますが、顔を見ながら会話を楽しめるため、多くの人々が利用しました。「Zoom飲み」は、新しいコミュニケーションの形として定着し、現在でも利用されています。
香水 (瑛人)
瑛人の楽曲「香水」も、2020年に大ヒットしました。TikTokなどのSNSで広く拡散され、多くの人がカバー動画を投稿するなど、社会現象となりました。
「香水」の歌詞にある切ない心情は、多くの人々の共感を呼び、カラオケなどで歌う人も多く見られました。この曲は、2020年の音楽シーンを代表する一曲と言えるでしょう。
半沢直樹
TBS系列で放送されたドラマ『半沢直樹』の続編も、2020年に大きな話題となりました。前作に引き続き、主人公・半沢直樹の決め台詞「倍返しだ!」は、多くの人々の心を掴みました。
ドラマの内容はもちろんのこと、出演者の演技や演出なども高く評価され、社会現象となりました。「半沢直樹」は、テレビドラマがネット上で話題になる良い例と言えるでしょう。
フワちゃん
YouTuberとして活躍するフワちゃんも、2020年にブレイクしました。独特のキャラクターと、飾らない言動が人気を集め、テレビ番組などにも多数出演しました。
ネット発のタレントとして、幅広い世代から支持を集めるようになりました。フワちゃんの活躍は、インターネットとテレビの関係性を考える上で、重要な事例と言えるかもしれません。
Nizi Project
ソニーミュージックとJYPエンターテインメントによる共同プロジェクト「Nizi Project」も、2020年に話題となりました。グローバルガールズグループを発掘するオーディションの様子が配信され、多くの視聴者を集めました。
オーディションに参加するメンバーたちの成長や努力が描かれ、視聴者の心を掴みました。「Nizi Project」は、新しい形のオーディション番組として、注目を集めました。
BLM (Black Lives Matter)
アメリカで発生した黒人男性の死亡事件をきっかけに、世界中で人種差別に対する抗議運動「Black Lives Matter (BLM)」が広がりました。ネット上でも、この運動に関する情報や意見が数多く飛び交いました。
人種差別という根深い問題について、改めて考えるきっかけとなりました。BLM運動は、ネットと社会運動の関係性を考える上で、重要な出来事と言えるでしょう。
まとめ
2020年は、新型コロナウイルス感染症の拡大という、世界的な危機に見舞われた年でした。その影響は、人々の生活様式やコミュニケーションのあり方など、様々な面に及びました。今回取り上げたネット流行語は、まさにその時代を映し出す鏡と言えるでしょう。
これらの言葉を振り返ることで、当時の社会状況や人々の感情を鮮明に思い出すことができるのではないでしょうか。後年、これらの言葉を通して2020年を振り返ったとき、どのような感情を抱くのか、それは未来の私たちへの問いかけでもあるでしょう。これらの言葉は、単なる一時的な流行ではなく、時代を記録する貴重な資料と言えるのかもしれません。