SSSS.DYNAZENON

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物語の発端とガウマ隊の結成

物語は、フジヨキ台高校に通う麻中蓬が、河原で行き倒れていたガウマという青年を助けるところから始まります。ガウマは自身を「怪獣使い」と名乗り、5000年の時を経て蘇ったと語ります。突如現れた怪獣に対し、ガウマが竜の副葬品を掲げると、巨大ロボット・ダイナゼノンが出現します。その場に居合わせた蓬のクラスメイト南夢芽、無職の山中暦、暦の従妹である飛鳥川ちせと共に、ガウマはダイナゼノンに乗り込み、怪獣と戦うことになります。こうして、ガウマを隊長とする「ガウマ隊」が結成され、怪獣との戦いに身を投じていくのです。

この出会いは偶然のように見えますが、実は深い因縁によって導かれたものでした。ガウマはかつて、怪獣を操り王国を守護していましたが、仲間との対立により命を落としていました。現代に蘇った彼は、かつての姫との再会を願い、怪獣優生思想と戦う決意を固めていたのです。蓬たちは、それぞれの事情を抱えながらも、ガウマと共に戦う中で、次第に絆を深めていきます。特に、蓬と夢芽の関係は、物語を通して変化していく重要な要素の一つです。当時の視聴者の間では、この二人の関係の行方が大きな話題となっていました。

怪獣優生思想と怪獣の出現

ガウマ隊の敵となるのが、怪獣を使って世界の破壊を企む「怪獣優生思想」です。彼らもまた、ガウマと同じく5000年の時を経て蘇った存在であり、かつてはガウマと共に怪獣を操っていました。しかし、思想の違いから袂を分かち、現代で再び対峙することになります。ジュウガ、オニジャ、ムジナ、シズムという個性的なメンバーで構成された怪獣優生思想は、それぞれ異なる目的を持ちながら、怪獣を使って破壊活動を行います。

本作に登場する怪獣は、カラフルな体色と独特な形状が特徴的です。これは、ソフビ人形(アートトイ)をイメージしたデザインが取り入れられているためです。また、各怪獣には「急転直下怪獣シャルバンデス」、「油断大敵怪獣グレージョム」といった二つ名が与えられており、その能力や特徴を表しています。さらに、怪獣の名前は心理的効果に基づいているという設定も、当時の視聴者の間で話題となりました。怪獣優生思想が怪獣を「掴む」際に叫ぶ「インスタンス・ドミネーション」という台詞も、印象的な演出と相まって、視聴者の間で流行しました。

ダイナゼノンとグリッドナイトの存在

ガウマが操るダイナゼノンは、4体のメカが合体することで完成する巨大ロボットです。ダイナソルジャー、ダイナウイング、ダイナストライカー、ダイナダイバーという各メカは、それぞれ蓬、夢芽、暦、ガウマが操縦します。合体シーンは、TRIGGERらしい迫力のある作画で描かれており、見どころの一つです。特に、メカニックシークエンスディレクターの浅野元氏が担当した合体バンクは、毎回注目を集めていました。

物語の中盤では、『SSSS.GRIDMAN』に登場したグリッドナイトが登場します。当初、本作は『SSSS.GRIDMAN』の続編とは明言されていませんでしたが、グリッドナイトの登場により、両作品が同じ世界観を共有していることが明らかになり、大きな話題となりました。グリッドナイトは、怪獣の脅威から世界を守るために現れた存在であり、ガウマ隊と共闘することになります。グリッドナイトとダイナゼノンの共闘シーンは、両作品のファンにとって感涙ものでした。

キャラクターたちの葛藤と成長

本作は、ロボットアニメとしての要素だけでなく、キャラクターたちの人間ドラマも丁寧に描かれています。ガウマは、過去の出来事に囚われながらも、現代で新たな絆を築こうとします。蓬は、両親の離婚や母親の再婚といった家庭環境に悩みながら、自分の居場所を探しています。夢芽は、亡くなった姉の死の真相を追い求め、過去と向き合おうとします。暦は、過去のトラウマから抜け出せず、自堕落な生活を送っています。ちせは、周囲に馴染めない自分に葛藤しながら、自分の居場所を求めています。

彼らは、怪獣との戦いを通して、それぞれの葛藤と向き合い、成長していきます。特に、蓬と夢芽の関係は、物語を通して大きく変化していきます。当初、夢芽は周囲に心を閉ざしていましたが、蓬との交流を通して、次第に心を開いていきます。二人の関係は、当時の視聴者の間で様々な議論を呼びました。また、ガウマ隊と怪獣優生思想の対立だけでなく、それぞれの内面的な葛藤も描かれることで、物語に深みを与えています。

物語の結末とその後

怪獣優生思想との戦いは、激しさを増していきます。ガウマ隊は、グリッドナイトの協力を得ながら、怪獣優生思想に立ち向かっていきます。最終決戦では、ガウマ隊と怪獣優生思想の因縁に決着がつけられます。ガウマは、姫との再会を果たすことはできませんでしたが、蓬たちとの出会いを通して、大切なものを見つけることができました。戦いの後、ガウマは姿を消しますが、彼の意志は蓬たちに受け継がれていきます。

物語の結末は、悲しいものではありましたが、同時に希望に満ちたものでもありました。ガウマ隊のメンバーは、それぞれの道を進み始めますが、彼らの間に生まれた絆は、決して失われることはありません。そして、2023年には劇場版『グリッドマン ユニバース』が公開され、『SSSS.GRIDMAN』と『SSSS.DYNAZENON』のキャラクターが共演するという、ファン待望の展開が実現しました。この劇場版は、両作品のファンにとって、まさに夢のような作品と言えるでしょう。

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