ドラゴンボールZ

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始まりとサイヤ人の脅威

『ドラゴンボールZ』は、鳥山明による漫画『ドラゴンボール』を原作とするテレビアニメです。1989年4月26日から1996年1月31日まで、フジテレビ系列で毎週水曜日19:00 – 19:30に放送されました。全291話とテレビスペシャル2話で構成されています。この作品は、前作『ドラゴンボール』の続編として制作され、原作漫画の其之百九十五話から其之五百十九話までがアニメ化されました。

物語は、悟空が青年となり、妻のチチとの間に息子・悟飯をもうけた平和な日々から始まります。しかし、突如現れた宇宙人・ラディッツによって、悟空は自身の出自を知ることになります。自身が惑星ベジータの戦闘民族・サイヤ人であり、地球に送り込まれたのは地球を征服するためだったという衝撃の事実。悟飯を人質に取られた悟空は、宿敵であったピッコロと一時的に手を組み、ラディッツに挑みます。この戦いで悟空は命を落としますが、仲間たちはドラゴンボールで悟空を蘇らせ、地球に迫る更なるサイヤ人の脅威に備えることを決意します。

界王の下での修行を経てパワーアップした悟空は、ナッパとベジータという二人の強大なサイヤ人と対峙します。激しい戦いの末、仲間たちの犠牲もあり、なんとかベジータを退けることに成功しますが、地球のドラゴンボールは消滅してしまいます。このサイヤ人編は、悟空が自身のルーツを知り、宇宙規模の戦いに巻き込まれていくという、物語の大きな転換点となりました。当時、この展開は「インフレバトル」という言葉を生み出し、敵が強くなるたびに主人公たちがさらに強くなるという、後のバトル漫画の典型的なパターンの一つとなりました。また、この頃から、悟空が絶体絶命のピンチに陥るという演出が多くなり、次週への期待感を煽る手法は、視聴者の間で大きな話題となりました。

フリーザとの激闘と超サイヤ人の覚醒

仲間を生き返らせるため、悟飯、クリリン、ブルマはナメック星へと旅立ちます。しかし、そこには宇宙の帝王・フリーザとその部下たちが、不老不死を求めてドラゴンボールを探索していました。ナメック星人を虐殺しながらドラゴンボールを集めるフリーザに対し、悟飯たちはベジータとも協力しながら抵抗を試みます。

激しいドラゴンボール争奪戦の末、ついに悟空がナメック星に到着します。フリーザの圧倒的な力の前に、クリリンが命を落とします。この出来事に激しい怒りを覚えた悟空は、ついに伝説の戦士・超サイヤ人へと覚醒します。金色の髪とオーラを纏った悟空の姿は、当時の子供たちの間で大流行し、誰もが一度は真似をしたのではないでしょうか。フリーザとの壮絶な戦いは、長期間に渡って描かれ、視聴者を釘付けにしました。ナメック星の崩壊というタイムリミットが迫る中での決着は、手に汗握る展開でした。

このフリーザ編は、視聴率も非常に高く、まさに『ドラゴンボールZ』の人気を決定づけたエピソードと言えるでしょう。また、この頃から劇場版作品も多く公開され、テレビアニメと並行して映画館でも『ドラゴンボール』の世界を楽しむことができました。

人造人間とセルゲーム

フリーザとの戦いから約1年後、地球に再び危機が訪れます。未来から来たトランクスと名乗る青年は、未来で悟空が心臓病で死亡し、その後現れた人造人間によって世界が絶望に陥っていることを告げます。トランクスは悟空に特効薬を渡し、3年後に現れる人造人間に備えるよう忠告します。

3年後、人造人間17号、18号が現れ、街を破壊していきます。さらに、 Dr.ゲロが作り出した究極の人造人間・セルが登場します。セルは人造人間を吸収することで完全体となり、地球の命運を賭けた武道会「セルゲーム」を開催することを宣言します。悟空はセルに挑みますが、激闘の末に降参します。悟空の意志を継いだ悟飯は、父を超える力を発揮し、超サイヤ人2へと覚醒。セルを圧倒的な力で打ち倒します。セルの自爆によって悟空は命を落としますが、悟飯の活躍によって地球は救われます。

この人造人間・セル編では、未来から来たトランクスの登場や、悟飯が主人公格として活躍する展開など、物語に新たな要素が加わりました。特に、悟飯が超サイヤ人2に変身するシーンは、多くの視聴者の記憶に残っていることでしょう。

魔人ブウとの壮絶な戦いと物語の終焉

セルゲームから7年後、物語は最終章である魔人ブウ編へと突入します。天下一武道会に出場するため、悟空は占いババの力で一日だけ現世に戻ります。武道会の最中、界王神から魔人ブウの封印が解かれようとしていることを知らされます。復活した魔人ブウは、圧倒的な力で悟飯やベジータを倒し、悟空は再びあの世へと戻ります。

地球の命運は、悟空の次男・悟天とトランクスの二人の少年に託されます。二人はフュージョンによってゴテンクスとなり、魔人ブウに挑みます。しかし、魔人ブウは様々な変化を遂げ、ゴテンクスたちを苦しめます。再び現世に戻った悟空とベジータは、界王神界で魔人ブウとの最終決戦に挑みます。激しい戦いの末、悟空の放った元気玉によって魔人ブウは完全に消滅し、地球に平和が訪れます。

それから10年後、悟空は天下一武道会で魔人ブウの生まれ変わりであるウーブと出会い、共に修行の旅に出るという形で物語は幕を閉じます。この魔人ブウ編では、フュージョンという新たな合体技が登場し、ゴテンクスやベジットといった強力な戦士が生まれました。また、魔人ブウの様々な形態変化は、視聴者を飽きさせない要素の一つでした。

音楽と声優、そして記憶に残るもの

『ドラゴンボールZ』を語る上で欠かせないのが、音楽と声優の存在です。影山ヒロノブさんが歌うオープニングテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」は、アニメソングの枠を超えた大ヒットとなり、今でも多くの人に愛されています。また、BGMも作品の盛り上げに大きく貢献しました。菊池俊輔氏による音楽は、戦闘シーンの迫力や感動的なシーンの情感を、より一層引き立てる効果がありました。

野沢雅子さんをはじめとする声優陣の熱演も、作品の魅力を高める大きな要因です。悟空、悟飯、悟天という一人三役を演じ分けた野沢さんの演技力は、特筆すべきでしょう。また、堀川亮さんのベジータ、古川登志夫さんのピッコロなど、他の声優陣もキャラクターに命を吹き込み、作品に深みを与えました。

『ドラゴンボールZ』は、放送当時、子供たちを中心に社会現象とも言えるほどの人気を博しました。その人気は日本国内にとどまらず、世界中で愛される作品となりました。魅力的なキャラクター、手に汗握るバトルシーン、そして心に残る音楽。それらは多くの人々の記憶に深く刻まれています。

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