機動戦士ガンダム00

目次

物語の発端とソレスタルビーイングの登場

西暦2307年、化石燃料の枯渇という問題を克服した人類は、宇宙太陽光発電システムとそれを支える巨大な軌道エレベーターを手にしていました。しかし、この恩恵を享受できるのは、「ユニオン」「AEU」「人類革新連盟」という三大国家群のみ。世界は依然として格差と紛争に満ち溢れていました。

そんな中、突如として現れたのが私設武装組織「ソレスタルビーイング」、通称CBです。彼らは「戦争根絶」を掲げ、ガンダムと呼ばれる高性能モビルスーツを駆使し、あらゆる武力紛争への武力介入を開始します。この衝撃的な宣言は、世界を大きく揺るがすことになります。

CBが所有するガンダムは、GNドライヴと呼ばれる革新的な動力機関を搭載していました。GNドライヴはGN粒子を生成し、ほぼ無限のエネルギーを生み出すことができました。このGN粒子は、推進力だけでなく、ビーム兵器のエネルギー源や通信妨害など、多岐にわたる用途に活用されました。当時のアニメファンは、このGN粒子の表現や、それを活用した戦闘シーンに目を奪われたのではないでしょうか。

ガンダムを操るのは、それぞれに過去を持つ4人のガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ、ロックオン・ストラトス、アレルヤ・ハプティズム、ティエリア・アーデです。彼らの葛藤や成長も、物語の大きな魅力の一つでした。特に、高河ゆん氏によるキャラクターデザインは、従来のガンダムファンだけでなく、新たなファン層を獲得することに貢献しました。

世界の構図と各勢力の思惑

物語の舞台となる世界は、三大国家群を中心に複雑に絡み合っていました。アメリカ合衆国、南米、オセアニアを中心とする「ユニオン」は、最も早く軌道エレベーターを実用化し、経済的な優位を確立していました。ヨーロッパを中心とする「AEU」は、各国の利害が対立し、政策の遅れが目立っていました。中国、ロシア、インドなどを中心とする「人類革新連盟」は、独自の発展を遂げていました。

これらの大国に加え、中東の新興国アザディスタンや、主人公刹那の故郷であるクルジス共和国など、様々な勢力が物語に関わってきます。特に、アザディスタンとクルジスの関係は、刹那の過去と深く関わっており、物語の重要な要素となっていました。

CBの武力介入は、これらの勢力図に大きな変化をもたらします。各国家群は、ガンダムの技術を手に入れようと画策し、CBとの間で激しい攻防を繰り広げます。この中で、各勢力の思惑や戦略が明らかになっていき、物語はより一層複雑さを増していきます。

トリニティの登場とCBの変容

物語の中盤、CBに新たなガンダムマイスター、トリニティが登場します。ヨハン、ミハエル、ネーナの3人からなるトリニティは、従来のCBとは異なる、過激な武力介入を行います。彼らの行動は、CBの活動理念に疑問を投げかけるとともに、世界を更なる混乱へと陥れます。

トリニティの登場は、CB内部にも亀裂を生じさせます。刹那たちは、トリニティのやり方に反発し、彼らと袂を分かつことになります。この対立は、物語の大きな転換点となり、CBの運命を大きく左右することになります。

また、この頃から、CBの背後に潜む存在や、彼らの計画の全貌が徐々に明らかになってきます。特に、監視者と呼ばれる存在や、量子コンピュータ「ヴェーダ」の存在は、物語の核心に迫る重要な要素です。当時のアニメ雑誌などでも、これらの要素に関する考察が盛んに行われていた記憶があります。

セカンドシーズンと新たな戦い

ファーストシーズン終盤、CBは壊滅的な打撃を受けます。しかし、4年の時を経て、CBは再び活動を開始します。セカンドシーズンでは、世界は地球連邦として統一されつつありましたが、その裏では独立治安維持部隊「アロウズ」による弾圧が行われていました。

CBは、アロウズとの戦いを通して、新たな敵の存在に気づきます。それは、「イノベイター」と呼ばれる存在です。彼らは、イオリア・シュヘンベルグの計画を進めるために生み出された人造人間であり、アロウズを操り、世界を支配しようとしていました。

セカンドシーズンでは、新たなガンダムやパイロットが登場し、物語は新たな局面を迎えます。特に、ダブルオーガンダムとオーライザーの合体、そしてツインドライヴシステムの登場は、当時のガンダムファンに大きな衝撃を与えました。この時期、ガンプラ売り場ではダブルオーライザーのプラモデルが飛ぶように売れていたのを覚えています。

劇場版と物語の終結

テレビシリーズの完結後、劇場版「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」が公開されました。劇場版では、地球圏外からの異星体「ELS」の襲来という、新たな危機が描かれます。

ELSは、金属生命体であり、地球の文明を侵食しようとしていました。CBは、ELSとの戦いを通して、イオリアの計画の真の意味を知ることになります。それは、人類と異質な存在との対話を通して、新たな未来を切り開くことでした。

劇場版は、テレビシリーズを通して描かれてきた物語に、一つの終止符を打つ作品となりました。刹那とELSとの対話、そして人類の新たな未来への歩みは、多くの視聴者の心に残るものとなりました。

「機動戦士ガンダム00」は、従来のガンダムシリーズとは異なるアプローチで、戦争と平和、そして人間の進化というテーマを描いた作品です。その革新的なストーリーや、魅力的なキャラクターたちは、今でも多くのファンに愛されています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次