2020年4月から6月にかけて放送されたTVアニメ『かくしごと』。原作は『さよなら絶望先生』などで知られる久米田康治先生による同名漫画で、月刊少年マガジンにて2016年から2020年まで連載されていました。
この作品は、ちょっと変わった職業の父親と、その娘の心温まる日常を描いた物語です。主人公の後藤可久士は、なんと下ネタ漫画家。愛娘の姫に自分の職業を知られたら嫌われてしまうのでは…と、漫画家であることを隠しながら生活しています。
当時、アニメの放送が始まると、SNS上では「#かくしごと」のハッシュタグがトレンド入りするほど話題になりましたね。特に、エンディングテーマに起用された大滝詠一の「君は天然色」は、多くの視聴者の心を掴みました。懐かしさを感じるメロディーと、作品の世界観がマッチしていて、エンディングが流れるたびに胸がキュンとなった人も多いのではないでしょうか。
どこか懐かしい、あの頃の風景
アニメ『かくしごと』の魅力の一つは、どこか懐かしさを感じさせる風景描写です。舞台となる目黒区周辺は、実際に存在する場所をモデルに描かれており、街並みや風景にリアリティを感じられます。
作中には、目黒川や商店街など、おなじみの風景が登場します。丁寧に描かれた背景美術は、まるで自分がその場所にいるかのような錯覚を覚えるほど。当時、アニメを見て「聖地巡礼」に出かけた人もいたかもしれませんね。
また、アニメでは、昭和レトロな雰囲気のアイテムや小道具も登場します。ブラウン管テレビや黒電話など、今では見かける機会が少なくなったものばかり。こうしたノスタルジックな描写も、『かくしごと』の魅力を形作っている要素の一つと言えるでしょう。
個性豊かなキャラクターたち
『かくしごと』には、主人公の可久士と姫以外にも、個性豊かなキャラクターがたくさん登場します。
可久士のアシスタントたちは、それぞれ一癖も二癖もある人物ばかり。チーフアシスタントの志治仰は、頼りになる兄貴分的存在。新人アシスタントの芥子駆は、ちょっとズレた言動で可久士を困らせることも。筧亜美は、毒舌キャラでありながら、実は可久士のことを尊敬しています。そして、紅一点の墨田羅砂は、クールな見た目とは裏腹に、可久士を陰ながらサポートするしっかり者。
担当編集者の十丸院五月も、忘れられないキャラクターの一人です。彼のマイペースで空気を読めない言動には、毎回笑わされましたね。
他にも、姫の学校の担任・六條一子先生や、アイドルを目指していた千田奈留など、魅力的なキャラクターが物語を彩ります。
笑いと感動のストーリー展開
『かくしごと』は、基本的にはコメディタッチで描かれています。可久士が漫画家であることを隠すために奮闘する姿は、コミカルで笑いを誘います。
しかし、ただ笑えるだけではありません。ところどころに、親子の絆や友情を描いた感動的なシーンが散りばめられています。特に、姫の18歳の誕生日を境に展開されるストーリーは、シリアスな要素も含まれており、涙なしでは見られません。
コメディとシリアスのバランスが絶妙で、視聴者の心を揺さぶる作品だったと言えるのではないでしょうか。
隠された真実と家族の愛
姫10歳編ではコメディ色が強い『かくしごと』ですが、姫18歳編では物語の雰囲気が一変します。
18歳になった姫は、父親の隠し事の真相を知ることになります。そこには、これまで語られなかった後藤家の過去や、姫の母親の秘密が隠されていました。
可久士が漫画家であることを隠していたのは、ただ単に下ネタ漫画を描いていたからではありません。そこには、深い愛情と、切ない過去があったのです。
すべての真実が明らかになった時、あなたはきっと、家族の温かさに改めて気付かされるでしょう。
今も色褪せない、あの頃の記憶
アニメ『かくしごと』は、放送終了から数年が経った今でも、多くのファンに愛されている作品です。
個性豊かなキャラクター、心温まるストーリー、そして「君は天然色」のメロディー…。
この記録を読んだあなたは、きっと当時夢中になってアニメを見ていた頃を思い出したことでしょう。そして、もう一度『かくしごと』の世界に浸りたくなったのではないでしょうか。
もしそうであれば、ぜひアニメを見返してみてください。きっと、新しい発見があるはずです。
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