フルーツバスケット

2025年1月7日

本田透と草摩家の出会い

物語は、主人公である本田透が、唯一の家族だった母親を亡くし、ひょんなことから草摩家に居候することから始まります。透は、同級生の草摩由希と、由希の従兄弟である草摩紫呉と出会い、彼らと共同生活を送ることになるのです。しかし、草摩家には重大な秘密がありました。それは、草摩家の人々が「十二支の呪い」という奇妙な体質を持っているということ。異性に抱きつかれると、十二支の動物に変身してしまうのです。

透は、由希が鼠、夾が猫、紫呉が犬に変身する姿を目撃し、この秘密を知ってしまいます。それでも透は、持ち前の明るさと優しさで、草摩家の人々と心を通わせていきます。この出会いが、透と草摩家の人々、それぞれの運命を大きく変えていくことになるでしょう。2001年に初めてアニメ化された際、岡崎律子さんが歌うオープニングテーマ「For フルーツバスケット」は、アニメファンだけでなく、音楽ファンからも高い評価を受けました。アニメソングらしくない、落ち着いた曲調が、作品の雰囲気にぴったりだったのです。

草摩家での生活は、透にとって驚きの連続です。十二支の動物に変身してしまうという非日常的な出来事はもちろん、草摩家の人々が抱える過去や心の傷にも触れていくことになります。透は、彼らの心の支えとなろうと、ひたむきに寄り添っていくのです。

十二支の呪いと草摩家の人々

草摩家の人々は、代々十二支の物の怪が憑いており、異性に抱きつかれると動物に変身するという呪われた運命を背負っています。この呪いは、単なる体質ではなく、彼らの心にも深い影を落としていました。各々が過去のトラウマや孤独を抱え、苦しんでいるのです。

由希は、容姿端麗で学校では人気者ですが、内向的な性格で、自分に自信を持てずにいます。夾は、十二支に入れなかった猫の物の怪憑きとして、孤独と劣等感を抱えています。紫呉は、飄々とした態度で周囲を煙に巻いていますが、その裏には深い思惑を秘めているようです。彼らは、透との出会いを通して、少しずつ心を開き、自分自身と向き合っていくのです。

草摩家には、当主である草摩慊人が存在します。慊人は、十二支の者たちにとって「神」のような存在であり、絶対的な力を持っています。慊人の存在は、草摩家の呪いを象徴するものでもあり、物語の重要な鍵を握っていると言えるでしょう。

透と草摩家の絆

透は、草摩家の人々と生活を共にする中で、彼らの心の傷に触れ、彼らを救いたいと強く願うようになります。透の純粋でひたむきな優しさは、草摩家の人々の心を癒し、彼らの間に強い絆を育んでいきます。

透は、決して押し付けることなく、ただそばにいることで、彼らの心の支えとなります。透の存在は、草摩家の人々にとって、暗闇の中に差し込む一筋の光のようなものだったかもしれません。

物語が進むにつれて、草摩家の呪いの真相や、各キャラクターの過去が明らかになっていきます。シリアスな展開が増えていきますが、透の明るさや、夾と由希のコミカルな掛け合いなど、ギャグ要素も健在です。このバランスが、作品の魅力を引き立てていると言えるでしょう。

2度のアニメ化と変化

「フルーツバスケット」は、2001年と2019年の2度に渡ってアニメ化されています。2001年版は、原作が連載中だったため、アニメ独自の展開や結末が描かれました。当時、原作ファンからは、設定の変更や伏線の削除などに不満の声も上がりましたが、アニメ独自の魅力もあったと言えるでしょう。

特に、岡崎律子さんが担当した主題歌は、今でも多くのファンに愛されています。2019年版は、原作の最後までを完全アニメ化することが大きな話題となりました。キャスト・スタッフが一新され、映像のクオリティも向上しました。原作者の高屋奈月さんが総監修として参加したことも、原作ファンにとっては嬉しいニュースでした。

2019年版では、絵柄を原作に寄せないようにしたことや、新しいキャストで制作されたことも、当時話題になりました。新しいアニメーションとして、原作の魅力を最大限に引き出すことを目指した結果と言えるでしょう。