BLACK LAGOON

2025年1月5日

ロアナプラという舞台とラグーン商会の面々

「BLACK LAGOON」の物語は、タイの架空の犯罪都市ロアナプラを舞台に展開します。この街は、様々なマフィアや犯罪組織が入り乱れ、法の秩序が通用しない、まさに無法地帯です。そんなロアナプラで、運び屋を営むのが「ラグーン商会」です。

ラグーン商会の面々は、個性豊かなキャラクターばかりです。元サラリーマンの岡島緑郎、通称ロックは、拉致されたことをきっかけにラグーン商会の一員となります。彼は銃は使えませんが、豊富な知識と交渉力で数々の難局を乗り越えていきます。

レヴィことレベッカ・リーは、「二挺拳銃（トゥーハンド）」の異名を持つ凄腕のガンマンです。彼女の戦闘能力は作中でも群を抜いており、その豪快な戦いぶりは多くの視聴者を魅了しました。黒のタンクトップにホットパンツという彼女の服装も印象的です。

ラグーン商会のボスであるダッチは、冷静沈着で頭の切れる人物です。元米兵という経歴を持ち、その経験から培われた洞察力で、商会をまとめます。スキンヘッドにサングラスという外見も特徴的です。

メカニック兼情報収集役のベニーは、卓越したハッキング技術を持つユダヤ系アメリカ人です。温厚な性格ですが、電子機器への愛情は人一倍です。当時のアニメファンは、ベニーが繰り出すハッキングシーンに心を躍らせたことでしょう。

これらのキャラクターたちが織りなす人間関係や、ロアナプラという独特な舞台設定が、「BLACK LAGOON」の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

ハードボイルドな世界観と迫力のアクション

「BLACK LAGOON」は、ハードボイルドな世界観と迫力満点のガンアクションが特徴です。銃撃戦はもちろんのこと、爆発や格闘シーンも多く、その描写は非常にハードです。当時の深夜アニメとしては、かなり過激な表現が含まれていたため、放送局によっては一部台詞の削除や音声処理が行われたことも、当時話題になりました。しかし、DVD版では完全収録されており、ノーカット版を求めるファンも多かったようです。

特に、レヴィの二丁拳銃アクションは、アニメーションで見事に表現されており、視聴者の目を釘付けにしました。彼女が繰り出す流れるようなガンさばきや、敵を容赦なく撃ち抜く姿は、まさに圧巻です。

また、本作は単なるアクションアニメではなく、裏社会で生きる人々の葛藤や人間ドラマも描いています。ロックが持つ倫理観と、ロアナプラの住人たちの価値観のギャップは、物語に深みを与えています。

片渕須直監督の演出とMELLの主題歌

「BLACK LAGOON」のアニメーション作品を語る上で欠かせないのが、片渕須直監督の存在です。彼は、原作の持つハードボイルドな世界観を忠実に映像化し、高い評価を得ました。キャラクターの表情や仕草、背景の描写など、細部にまでこだわった演出は、作品の完成度を高めています。

そして、オープニングテーマ「Red fraction」は、作品の魅力をさらに引き立てる重要な要素です。MELLの力強い歌声と、高瀬一矢氏による重厚なサウンドは、作品の世界観と見事に合致し、多くのファンを魅了しました。この曲は、今でもアニソンとして高い人気を誇り、当時を知るファンにとっては、作品を象徴する曲の一つでしょう。

テレビアニメシリーズとOVA「Roberta’s Blood Trail」

「BLACK LAGOON」のアニメーション作品は、2006年に放送されたテレビアニメシリーズ（全24話）と、2010年から2011年にかけて発売されたOVA「Roberta’s Blood Trail」（全5話）で構成されています。

テレビアニメシリーズでは、ロックがラグーン商会に加わるきっかけとなったエピソードから始まり、様々な事件に巻き込まれていく様子が描かれます。「Das Wieder Erstehen Des Adlers」編や「Bloodsport Fairy tale」編など、印象的なエピソードも多く、それぞれの物語で描かれる人間ドラマは、視聴者の心を揺さぶりました。

OVA「Roberta’s Blood Trail」は、原作の人気エピソード「El Baile de la muerte」編を映像化した作品です。ロベルタの過去や、彼女とガルシアの関係が深く掘り下げられ、テレビアニメシリーズとはまた違った重厚な物語が展開されます。作画のクオリティも高く、迫力のあるアクションシーンは必見です。OVAが発売された際、テレビアニメシリーズから時間が空いていたこともあり、ファンは新作を心待ちにしていました。