2023年も様々なネット流行語が生まれ、私たちの日常を彩りました。これらの言葉は、その年の出来事や文化、人々の感情を反映する鏡のような存在です。この記事では、特に話題になった10個のネット流行語をピックアップし、その背景や意味、広まった経緯などを詳しく解説していきます。これらの言葉を振り返ることで、2023年という時代を鮮やかに思い出すことができるでしょう。
【推しの子】
2023年を代表するネット流行語と言えば、間違いなく「【推しの子】」でしょう。これは、赤坂アカと横槍メンゴによる同名漫画のアニメ化をきっかけに大流行しました。
「推し」とは、熱烈に応援している人物やキャラクターを指す言葉で、アイドル文化を中心に広まりました。「【推しの子】」は、その「推し」が子供として生まれ変わるという衝撃的なストーリーが話題を呼び、アニメ放送と相まって爆発的な人気を獲得。SNSを中心に様々な派生語やミームが生まれ、ネット流行語大賞を席巻するほどの勢いを見せました。この言葉は、単なるアニメタイトルを超え、2023年のポップカルチャーを象徴するキーワードとなったのです。
君は完璧で究極のゲッター
このフレーズは、TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の劇中歌「slash」の歌詞の一部です。歌自体も非常に人気が高かったのですが、特にこのフレーズは、その独特のリズムと力強い響き、そしてどこかコミカルなニュアンスが相まって、ネット上で大流行しました。
SNSでは、このフレーズを使ったMAD動画やネタ画像が多数投稿され、日常会話でも冗談交じりに使われるようになりました。特に、何かを褒め称える際や、完璧なものを見たときのリアクションとして使われることが多く、汎用性の高さも人気の理由の一つと言えるでしょう。
薩摩ホグワーツ
「薩摩ホグワーツ」は、ゲーム『ホグワーツ・レガシー』の発売前後にネット上で突如発生したミームです。これは、鹿児島弁(薩摩弁)と『ハリー・ポッター』シリーズの世界観を掛け合わせたもので、もし魔法学校ホグワーツが薩摩にあったら…という架空の設定で様々なネタが生み出されました。
薩摩弁特有の力強い語感と、魔法世界のファンタジー要素のギャップが面白さを生み、SNSを中心に大きな話題となりました。このミームは、ゲーム本編とは直接関係ないものの、『ホグワーツ・レガシー』への注目を高める一因になったとも言えるでしょう。
ブルーロック
「ブルーロック」は、金城宗幸原作、ノ村優介作画によるサッカー漫画で、こちらもアニメ化を機に大きな注目を集めました。特に、主人公たちが置かれた過酷な状況や、エゴを剥き出しにして戦う姿が、多くの視聴者の心を掴みました。
ネット上では、作中の名言や印象的なシーンが頻繁に引用され、キャラクターたちの個性的な言動も話題となりました。「ブルーロック」は、単なるサッカー漫画の枠を超え、現代社会における競争や個人の成長といったテーマを象徴する言葉として、広く浸透したと言えるでしょう。
ひき肉です
このフレーズは、YouTuberグループ「ちょんまげ小僧」のメンバーであるひき肉が、自己紹介の際に発する言葉です。その独特の言い方とコミカルなキャラクターが人気を集め、子供を中心に大流行しました。
TikTokなどのショート動画プラットフォームで広く拡散され、多くの人が真似をする現象も起きました。この言葉は、子供たちの間だけでなく、大人たちの間でも一種の合言葉のような存在となり、幅広い世代に知られるネット流行語となりました。
蛙化現象
「蛙化現象」は、好きな相手が自分に好意を示した途端、相手のことを気持ち悪く感じてしまう現象を指す言葉です。以前から心理学用語として存在していましたが、2023年に再び注目を集め、広く使われるようになりました。
SNSでは、自身の体験談や共感の声が多く投稿され、この現象に悩む人々にとって、自身の状況を説明する便利な言葉として浸透しました。また、恋愛における複雑な心理を描写する言葉として、様々なメディアでも取り上げられるようになりました。
もう疲れちゃって 全然動けなくてェ…
このフレーズは、ゲーム『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』に登場するキャラクターのセリフです。ゲーム内で特定の状況になるとこのセリフを発するのですが、その脱力感とコミカルな表現がプレイヤーの間で話題となりました。
ネット上では、このセリフを使ったネタ画像や動画が多数投稿され、日常の疲れや倦怠感を表現する言葉として広く使われるようになりました。特に、仕事や勉強で疲れた際に、このセリフを使って共感を求める投稿が多く見られました。
オタク用語辞典 大限界
三省堂から発売された「オタク用語辞典 大限界」は、その収録内容や解説の独特さから、発売前からネット上で大きな話題を呼びました。特に、一部の用語解説がユーモアに富んでおり、SNSで拡散されたことで、辞典自体を知らない人々の間でも話題となりました。
この辞典は、オタク文化を俯瞰的に捉える視点を提供すると同時に、ネットミームとしても消費されるという、独特の現象を生み出しました。
SNS流行語大賞
これは、特定の言葉というよりも、SNS上で話題になった言葉全体を指す言葉です。毎年、様々な企業や団体が独自の「SNS流行語大賞」を発表しており、その結果がネットニュースなどで報じられることで、広く知られるようになりました。
「SNS流行語大賞」は、その年のネット文化を振り返る指標の一つとして、多くの人々に注目されています。
ChatGPT
「ChatGPT」は、OpenAIが開発した大規模言語モデルで、人間と自然な会話ができるAIとして、2023年に大きな注目を集めました。その高度な文章生成能力や、様々な質問に答える能力は、多くの人々を驚かせました。
ネット上では、「ChatGPT」を使った様々な実験や応用例が共有され、AI技術の可能性について議論が交わされました。この言葉は、AI技術の進化を象徴するキーワードとして、広く浸透したと言えるでしょう。
まとめ
2023年のネット流行語を振り返ってみると、アニメやゲーム、YouTubeなどのエンターテイメントコンテンツから生まれた言葉が多いことが分かります。また、人々の感情や社会現象を反映した言葉も多く、ネット流行語は、その時代を映す鏡のような存在と言えるでしょう。これらの言葉は、私たちの記憶に深く刻まれ、後々振り返ったときに、その時代を鮮やかに蘇らせてくれるはずです。今回紹介した言葉以外にも、数多くのネット流行語が生まれ、そして消えていきました。しかし、それらは確かにその時代を生きた人々の記憶の一部として、これからも語り継がれていくことでしょう。