ブラック・ブレット

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物語の発端と東京エリアの状況

西暦2021年、人類は突如現れたウイルス性寄生生物「ガストレア」との戦いに敗北を喫しました。人口の九割と国土の大半を失い、生き残った人々はガストレアを退ける特殊な磁場を発生させる金属「バラニウム」で作られた巨大な壁「モノリス」に囲まれた都市「エリア」で、辛うじて生活を送っていました。時は流れ、2031年。物語の舞台となるのは、日本に残された五つのエリアの一つ、「東京エリア」です。このエリアは、他のエリアに比べれば「呪われた子供たち」への差別意識が低いとされています。これは、初代聖天子の頃から「呪われた子供たち」と「奪われた世代」の共生を模索する政策がとられてきたためです。

モノリス内に侵入するガストレアの排除を業務とする「民間警備会社」(民警)が活躍する時代。幼馴染の天童木更が経営する「天童民間警備会社」で働く里見蓮太郎は、相棒でありイニシエーターの藍原延珠と、普段は大した仕事もなく極貧の生活を送っていました。しかし、ある日、蓮太郎は奇妙な事件に遭遇します。警官隊の死体の前に立つ、不気味な仮面を付けた燕尾服の男。彼は「世界を滅ぼす者」と名乗り、圧倒的な力で蓮太郎を打ち倒し、姿を消しました。この男こそ、後に東京エリアを揺るがす大事件の中心人物となる蛭子影胤です。当時、原作小説の展開も注目されており、アニメ化によってこの蛭子影胤の活躍がどのように描かれるのか、ファンは期待に胸を膨らませていたことでしょう。

蓮太郎と延珠、そして木更との出会いと絆

蓮太郎は、ガストレア戦争で両親を失い、天童家に引き取られた過去を持ちます。ある日、屋敷に迷い込んだガストレアから木更を庇い、瀕死の重傷を負いました。生き延びるために「新人類創造計画」の手術を受け、機械化兵士として生まれ変わったのです。15歳で木更と共に天童家を出奔し、天童民間警備会社を設立。そこで出会ったのが、藍原延珠でした。延珠はモデル・ラビットのイニシエーターであり、蓮太郎の相棒として、また家族として、共に暮らしています。

木更は、名家である天童家の令嬢でしたが、ある事件をきっかけに家を出て独立。天童民間警備会社を設立しました。普段は蓮太郎に高圧的な態度を取りますが、内心では彼に想いを寄せています。この三人の関係性は、物語の重要な軸の一つです。特に、蓮太郎と延珠の擬似家族的な絆は、多くの視聴者の心を掴みました。また、木更のツンデレな性格も、作品の人気を支える要素の一つでした。

蛭子影胤の暗躍と「七星の遺産」を巡る戦い

東京を治める最高責任者である聖天子によって、数多の民警が招集されます。目的は、蛭子影胤の計画を阻止すること。彼は、エリアを滅ぼす力を秘めた「七星の遺産」を狙っていました。蓮太郎は延珠と共に、蛭子影胤との死闘を繰り広げることになります。この戦いの中で、蓮太郎はガストレアという存在にまつわる謎、陰謀、そして自らの存在意義を追うことになります。

蛭子影胤は、その独特な外見と、圧倒的な強さで、アニメ放送当時から大きなインパクトを与えたキャラクターです。特に、彼が使用する斥力フィールド(イマジナリィ・ギミック)は、そのビジュアル的な表現も相まって、多くの視聴者の記憶に残っているでしょう。また、劇中劇である『天誅ガールズ』の存在も、この時期の話題の一つでした。延珠が熱中するこのアニメは、本編とは異なるコミカルな要素を提供し、作品全体のバランスを取る役割を果たしていました。

民警たちの活躍と悲しい別れ

蓮太郎と延珠は、蛭子影胤との戦いの中で、他の民警たちとも出会い、協力していきます。伊熊将監と千寿夏世のペア、片桐玉樹と片桐弓月の兄妹、薙沢彰磨と布施翠のペアなど、個性豊かな民警たちが登場し、物語を彩りました。しかし、ガストレアとの戦いは常に危険と隣り合わせです。

特に、千寿夏世の悲しい最期は、多くの視聴者の心を打ちました。「人間として死にたい」という彼女の願いを叶える蓮太郎の姿は、物語の中でも屈指の名場面と言えるでしょう。また、第三次関東会戦では、我堂長政をはじめとする多くの民警が命を落としました。彼らの死は、蓮太郎たちに大きな影響を与え、物語はよりシリアスな展開を迎えていきます。

第三次関東会戦と物語の結末

蛭子影胤との戦いを経て、東京エリアは再びガストレアの脅威に晒されます。アルデバラン率いるガストレア軍団の襲来。これが、第三次関東会戦です。蓮太郎たちは、他の民警たちと協力し、ガストレアに立ち向かいます。激しい戦いの末、アルデバランは撃破され、東京エリアは守られました。

しかし、戦いは多くの犠牲を伴いました。多くの人々が命を落とし、街は大きな被害を受けました。戦いを通して、蓮太郎は自身の出生の秘密や、ガストレアの謎に迫っていきます。そして、木更との関係にも変化が訪れます。激しい戦いの果てに、様々な感情が交錯する中で、物語は一つの結末を迎えます。アニメでは、原作のストーリーを一部変更して描かれており、その結末についても様々な意見がありました。しかし、アニメ独自の解釈もまた、作品の魅力を引き出す要素の一つであったと言えるでしょう。この作品は、ライトノベル原作のアニメ化ブームの中で登場し、その独特の世界観と魅力的なキャラクターたちで、多くのファンを獲得しました。当時、スマートフォンゲームとのコラボレーションなども行われ、話題を呼びました。

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