東京喰種トーキョーグール

2024年12月25日

喰種と人間が織りなす物語の始まり

物語の舞台は、人間社会に紛れ込み、人を喰らう怪人「喰種（グール）」が潜む現代の東京です。主人公は、読書好きの大学生・金木研（カネキ）。彼は、喫茶店「あんていく」で出会った女性・神代利世（リゼ）に惹かれます。しかし、デートの帰り道、リゼは喰種としての本性を現し、カネキを襲います。瀕死の重傷を負ったカネキは、奇跡的に一命を取り留めますが、それはリゼの臓器を移植されたことによるものでした。

この出来事を境に、カネキは半喰種として生きることを余儀なくされます。人間としての心と、喰種としての食欲の間で葛藤する日々。食べ物を口にすることができなくなり、代わりに人肉への欲求に苦しむカネキ。そんな彼を受け入れたのが、「あんていく」の店長・芳村功善（ヨシムラ）をはじめとする喰種たちでした。

「あんていく」での生活を通して、カネキは喰種の生態や社会、そして彼らが抱える悲しみを知っていきます。同時に、喰種を駆逐する人間側の組織・喰種対策局（CCG）の存在も意識するようになります。この頃、アニメのオープニングテーマ「unravel」は大きな話題となり、作品の世界観を象徴する楽曲として広く知られるようになりました。多くの人がこの曲を聴くと、カネキの苦悩や葛藤を思い出すのではないでしょうか。

CCGとの対峙、そしてアオギリの影

「あんていく」で働く中で、カネキはCCGの捜査官たちと出会います。正義感に燃える亜門鋼太朗（アモン）や、独特の倫理観を持つ真戸呉緒（マド）。彼らとの出会いは、カネキの運命を大きく揺さぶる出来事となります。特に真戸の異質な言動は、視聴者に強い印象を与えたことでしょう。

また、喰種の中でも過激な思想を持つ集団「アオギリの樹」の存在も明らかになっていきます。アオギリは、人間と喰種の対立を激化させようと暗躍しており、カネキもその抗争に巻き込まれていきます。アオギリの幹部であるヤモリによる拷問は、アニメの中でも屈指の衝撃的なシーンとして、多くの視聴者の記憶に残っているのではないでしょうか。この拷問をきっかけに、カネキの髪は白く変わり、内面にも大きな変化が訪れます。

この頃、原作とアニメのストーリー展開の違いが話題になることもありました。特にアニメ二期（√A）は原作とは異なる展開を見せたため、賛否両論を巻き起こしました。しかし、アニメ独自の解釈も、作品に新たな魅力を与えたと言えるかもしれません。

カネキの変化と新たな出会い

ヤモリによる拷問を経て、カネキは喰種としての力と向き合うことを決意します。それまでの内向的な性格から一変し、大切なものを守るためには力が必要だと考えるようになります。白髪となり、より攻撃的な性格へと変化したカネキの姿は、多くの視聴者に衝撃を与えました。

アオギリとの抗争後、カネキは「あんていく」を離れ、万丈数壱（バンジョー）や月山習（ツキヤマ）らと共に新たな居場所を求めます。月山の独特なキャラクターは、アニメでも忠実に再現されており、視聴者を楽しませました。特に彼の美食家としてのこだわりや、カネキへの執着は、物語に独特のユーモアと緊張感をもたらしました。

この時期、インターネット上ではカネキの白髪化や「1000-7は？」といった台詞がミーム化し、作品の知名度向上に貢献しました。このようなインターネットミームは、作品をより身近な存在に感じさせる効果があったと言えるでしょう。

「:re」への繋がり、そしてハイセの登場

「あんていく」襲撃事件を経て、物語は大きく展開します。CCGは「隻眼の梟」討伐作戦を実行し、多くの犠牲を払います。そして、物語は第二部『東京喰種トーキョーグール：re』へと続きます。

『:re』では、主人公が佐々木琲世（ハイセ）という新たなキャラクターに変わります。彼はCCGの喰種捜査官でありながら、喰種の能力を持つ「クインクス」と呼ばれる部隊のメンターを務めています。ハイセは過去の記憶を失っており、自分が何者なのか苦悩しています。しかし、物語が進むにつれて、彼は徐々にカネキとしての記憶を取り戻していきます。

ハイセの登場は、物語に新たな視点をもたらしました。喰種を駆逐する側の人間でありながら、喰種の力を持つという複雑な立場。彼は、カネキとはまた違った苦悩を抱えながら、自身のアイデンティティを探し求めていきます。この頃、実写映画の続編が公開され、前作に引き続き窪田正孝さんがカネキ役を演じたことが話題となりました。